この人に限ってはこの行為は珍しい事ではなく、
自分が出張の時は何度も自分の仕事を抜け出しては
電話をかけてくることの多い人だった。
中には「明日説明するけれど」と断って延々と長話をしてきたり
「雨が降っているからカサを持っていくように」などという、
本当にどうでもいい事まで電話してくる時がある。
だから今回の電話もハイハイと聞き流していた。
むしろ、ツッコミを入れたいくらいの内容ではあったが。
だいたいその15分以内とやらで、日報が出来上がるわけがないだろう。
印鑑で自分がやっておけと言ったくせに、
その事も忘れて「すぐに出ろ」とは滅茶苦茶もいいところだな。
そんな風に考えていた。
さて、そんなこんなでエクセルだのカレンダーだのとバタバタしていると、
ユーザーから問い合わせの電話も入りはじめた。
通常、仕事が外回りのため事務所はカラになりがちで、
鳴っている電話に出る人はまずいない。
だが今は全員が残っているので担当者もすぐ割り当てられる利点もあり、
私は積極的に応対をはじめた。
1、2件新規ユーザーを別社員に振り分け、朝からアポ取りができて喜んでいたが、
それをつき崩す電話が始業時刻の約15分後にかかってきた。